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2016-03-12

Slovakiaでの第2回目になる講座と展覧会を終えて 震災5年目と私の心

第二回目となるブラチスラバでの講座と展覧会。
大まかの流れは昨年と変わっていないので、関係者各位も流れを承知であり、大方スムーズにいきました。
しかしながら変更等もあり、また講座~展覧会までの一連は去年同様とても忙しく、展覧会初日の開幕を問題なく迎えられたことには、関係者の皆様に大変感謝しています。

2016Slovakia07


≪活動を通して≫
・生徒さんが水墨画という新たなジャンルに挑戦する貴重な機会となった。

 今回は鳥と流動体という初心者には適すとは思えない題材。
 2回目ということで、何を教えるかとかなり悩みました。
 去年とは違う生徒さんですが、講師としては去年とは異なる題材を選びたい。
 展覧会をしますし、大学側の成果としても、生徒がどう出るかという私の興味としても、違う題材のほうが面白いからです。

 悩みの点として「水墨画初体験」「美大生」「スロバキア人」そして「3時間」ということから、どんな画題が適切かいろいろな思いがめぐるのです。
 一般的な趣味の教室のように、先生のお手本を描いてしまうような同じ作品が生まれないようにするのも、講師の腕の見せどころ。
 また、二日間の講座を異なった興味深いものにするため、異なる技術を教えることもしたいと思いました。

 そんなこんなで考え通した結果、「筆法を学びながらの鳥」「欧州にはない独特なデザインを学ぶための気体描写」
 を題材と決め、どうやったら彼らの興味をひき、また技法の講義に適し、各々の作品に取り組めるか、を考え、
 結果全員がそれぞれ展示できる作品を完成させられたので、良かった!と思いました。

流体の生徒作品
2016Slovakia06 2016Slovakia04



 また、今年も生徒さんは静かに講義を聞き、真剣に描いて、またこの珍しい機会に楽しかったと満足していただきました。
 今年もまた思うことは、美大生はやはり趣味の教室と違って能動的に描くし、自分の作品に対して積極的で、また講師のアドバイスも自分なりに消化する。
 講師として大変面白いです。そして、日本人の私にない感性からの発見も面白い。
 ですから、年に一度の短期講座というよりも、ヨーロッパ圏で長期的に生徒を育成できる機会が将来的にやってきたら面白いなぁ、なんて思います。
 
スロバキアのカラス。 初めは鳥の参考作品をこれにしようかな、と思いましたが、各種技法を表現しずらいのでお蔵入りになりました。
色だけでなく表情や行動、歩き方も東京のカラスと違い、可愛いです。
2016Slovakia08



・昨年好評を得たため、大学として二度目の日本水墨画講座を組んでいただき、作品も素晴らしいと大変喜んでいただいた。
 「先生の講座内容や教え方が良いから生徒たちが皆良い作品を生み出せたんですよ。」
 と大学関係者が言ってくださったときは、
 「あぁ、できるだけ良い講座にしようと、今回に合った内容を悩み考えて良く準備できたんだな」
 と、心が満たされた気持ちになりました。

・今回は大使館ではなくギャラリーでの開催で、展示作品を選別したり、搬入準備等に手間取ったりもしたが、ギャラリーオーナーに
 初めての水墨画展だと大変喜んでいただき、お客様も今までで一番いらっしゃり盛況だったとのこと。



・大学、通訳さん、ギャラリー、大使館、講師、生徒、他関係者のみなさまのご協力で今年も一連のブラチスラバでの活動が
 好評に終了したことに、大変感謝致します。また、今後もそれぞれのこのご縁が良き未来へと結びついてゆくこと、生徒及び
 講師である私の芸術活動にささやかな春の風となるよう、期待しています。



展覧会開幕の際には生徒さんたちと個人的に話す時間も持てたことも、またフレッシュな気持ちになりました。

今回も昨年同様、両日共に定員を大きく上回る参加応募があり、嬉しく感じると共に定員オーバーの為
講義に参加いただけなかった生徒の皆様には、また次回是非水墨画を体験していただけたら、
そして今回の生徒さんにもまたお会いできたら嬉しいなと思っています。



今後も、水墨画を通して国の垣根なく芸術文化交流を深めること、また日本の歴史・自国の歴史に興味を持ってもらったり
自然・大地を感じたり、自分の内面と向き合うきっかけになったり、そんな心の変化が芸術作品や自身の鍛錬・回帰へ結びつくような、
そんな心のきっかけを生む水墨画活動を続けていきたいなと思っています。

静かで美しいブラチスラバの町。
2016Slovakia03 2016Slovakia01
ですが、旧市街の外には少しずつショッピングセンターも増え現代化の波が…。
欲望だらけの資本経済効果なんて気にせず、歴史的建築物や街並みが、どうかできるだけ改装などされずに持続されていきますように。



一年前も感想をアップした日に書いていました。

  一昨日は東京大空襲の日
  昨日は東日本大震災五年目の日


5年前は、言葉にならない感情がたくさんありました。
今現在は、感情を日本の言葉で表せる機会が殆どありません。
外国の言葉では、私の感情は表現できません。
日本にいた頃のように同年代の友と飲み、語り、踊り、感情を表に出してゆく。
いつでも語り合えることのできる日々が恋しく、喉から手が出そうになる。
でも、多くの非日常な感情を心の内で消化する、鍛錬期間なのかもしれません。

もともと外向きがちな私でしたが、この1年半は特に、内へ内へと心身の浄化をしている感じだと気づきました。
必要なことだと思えるし、こういった期間を過ごさせてもらえることに大変感謝です。
私は無宗教ですが、この世に対する自分なりのセオリーを自分の経験から心が探索し始めたという感じです。


杭州に戻り、昨日初めて西湖の周りを散歩しました。
桜が綺麗に咲いていて、静かに癒され包まれた気持ちになりました。

201603 Xifu03


別れとは人生のつらい経験の中の一種類。

毎年桜は咲き、人々の心をフワッと覆い、また笑顔と春風のような感動を運んでくれます。


5年前とは変わり、皆それぞれの道を歩み進めていることでしょう。
南三陸で出会った方々には、私が本格帰国したら、会いに行きたい。
心は帰国のたびに訪ねに行きたいけれど、残念ながら資金がありません。
でも、季節の花だったり、いろいろなことからそちらに思いを馳せています。

私は、35歳という年齢の日本人女性とは比較対象にならない生活をしています。
この2年半で、質素に生かされ、内と向き合わされ、身体は自然に近づくことができ、そのおかげで多方面への価値観や生活の仕方、そして書画への向き合い方もとても変わりました。
書画の修行に杭州へ来ましたが、心や体もまた一皮むけ、大変意味があったと感じています。



私、南三陸の方々、今も原発で作業を続けられている方々、シリアの方々や、東京の会社員も政治家も。
誰の経験も豊かさも上も下も決められませんし、全てが生まれてきたひとつひとつの命が全うする人生。

ひとりひとりが世間に惑わされず、心に桜の花びらのような小さな優しい幸せが舞い降ることに
豊かさが充満するような人生を過ごせたら、心軽い世界になるのになぁ、と思う春の一日でした。

201603 Xifu01 201603 Xifu02

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私の移ろい
ブログを始めたころから今まで、心境も絵も変化しており、ブログを閉じてHPだけにしようかとも考えました。が、このブログ自身もまた、現代に水墨画家を志すとはどういうことか、というリアルだと思い、継続させています。
プロフィール

水墨画家 麻貴

Author:水墨画家 麻貴
幼少期は、祖父と一緒にお絵かきしながらお昼寝の毎日。小~中学校と書道を習い、大学時代から水墨画を嗜む。

水墨画師範免許取得を区切りに、学びを深めに単身本場中国へ大学院留学中。
国際的な墨芸術家として、日本水墨画の発展向上と共に、完全なクリーン化・ユニバーサル化を目指す。

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